株式投資をする際に財務諸表で注目すべき14の項目

財務諸表にしっかり目を通そう

株式投資、特に長期投資をする際には、財務諸表を詳しく見ていく必要があります。

損益計算書で注目すべき7つの項目

粗利益率が高いか

  • 粗利益(売上総利益)=売上高-売上原価
  • 粗利益率=粗利益÷売上高

市場独占力のある優良企業は、価格競争とは無縁であり、売上原価を大きく上回る価格設定が可能です。過去10年間の粗利益率が一貫して40%以上の企業を選ぶと良いでしょう。
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販売費及び一般管理費が低いか

粗利益に対する販売費及び一般管理費の割合が、一貫して低い企業が良いでしょう。この割合が100%を超えたり、激しく上下したりする企業は、激しい競争に翻弄されています。一貫して30%以下なら優良企業といえるでしょう。

研究開発費が低いか

研究開発によって競争優位性を保っている企業は、避けるべきです。研究開発費が低い企業を選びましょう。

減価償却費が低いか

設備投資に多額の資金を投じなければならない企業は避けるべきです。減価償却費が一貫して低い企業を選びましょう。

支払利息が少ないか

営業利益に対する支払利息の高い企業は、所属する業界特有の過当競争にさらされ多額の負債を抱えています。営業利益に対する支払利息の割合が15%以下の企業を選びましょう。

純利益が一貫して増えているか

過去10年間の純利益を調べましょう。純利益に激しい上下がなく、一貫して増加している企業を選ぶべきです。

また、売上高に対する純利益の割合が高い企業を選びましょう。この割合が一貫して20%以上で増加してきた企業は優良企業といえるでしょう。

EPSが一貫して増加しているか

過去10年間のEPSを調べましょう。EPSが一貫して増加している企業は、長期的に見て業界で競争優位性を持っており、長期投資に適しています。

貸借対照表で注目すべき8つの項目

現金および短期投資の額が多いか

企業が事業で多額の収益を上げていれば、現金および短期投資(主に有価証券)の額が多くなります。保有している現金が多ければ、不況や一時的なトラブルを乗り越える力が高まります。

過去10年間の貸借対照表を見て、この額が一貫して高いかどうかを確認しましょう。なお、社債や株式の発行、事業売却でも、大量の現金が発生しますので、借入やこれらの費用が発生していないかも併せて目を通し、現金が事業の収益によるものなのかを確認しましょう。

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棚卸資産は安定しているか

棚卸資産とは、在庫のことです。この数字が急激に増減しているということは、景気に翻弄され、過当競争の末にバブルの崩壊に巻き込まれていたことを示します。安定して収益を増やしている企業は、純利益とともに棚卸資産が一貫して増加していきます。

売掛金が一貫して低いか

支払い期限を延ばし取引先に有利な条件を提示することで、契約を増やそうとする企業があります。すると、売掛金が増え、資金繰りは悪化します。

一方で、何らかの競争優位性を持つ企業は、取引条件を妥協することなく契約できるため、売掛金が低くなる傾向にあります。

土地および生産設備の額が小さいか

自動車業界のように激しい競争に苦しむ企業は、常に最新のモデルを追求し、生産設備を更新し続けなければなりません。

市場で競争優位性を持ち、何年経っても変わらない製品を製造している企業は、生産設備を長く使い続けることができます。結果として生産設備の額が少なくて済むのです。

長期借入金が少ないか

過去10年間の長期借入金をチェックしましょう。優良企業は、膨大な利益があり、巨額の借入を行う必要がありません。目安としては、長期借入金は純利益の3~4倍以内であれば良いでしょう。

負債比率が低いか

優良企業は、収益によって事業資金をまかなえるため、純資産合計は高く、負債合計は低くなる傾向にあります。負債比率は、次のように計算します。

  • 負債比率=負債合計÷(純資産合計+自己株式)

余力のある企業は、内部留保を自社株購入にあてている企業も多く、計算の際には自己株式の数値を純資産合計に加えると良いでしょう。この値が0.8以下であれば、優良企業です。

内部留保は増加しているか

  • 内部留保の増加分=純利益-(自己株式+配当)

内部留保を新たな優良企業の買収に回せば、企業の収益力はどんどん成長していきます。

ROEが高いか

  • ROE=純利益÷純資産

により計算できます。自己株式の買い戻しのの影響を排除して考えるには、

  • 純利益÷(純資産+自己株式)

の数値も計算してみましょう。この数値も年々増加していれば、間違いないでしょう。

バランスシートで注目すべき項目

資本的支出が低いか

資本的支出とは、土地や生産設備を取得する際に支出する現金のことです。「投資活動によるキャッシュフロー」に計上されます。

多くの企業は、事業存続のために多額の資本的支出が必要です。これらの企業では、借金と社債発行によって多額の資金を調達します。一方で、市場において何らかの競争優位性を持つ企業は、事業継続のための資本的支出が少なくて済みます。

過去10年の資本的支出の総額と純利益の総額をそれぞれ比較してみましょう。年間の資本的支出が純利益の50%以下であれば良いでしょう。